●取材ノートから●(07) 2000年12月1日号

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奉仕活動義務化の行く末

 奉仕活動の義務化云々で思い出すのは、かつての「ボランティアブーム」です。97年に「WE'LL」という雑誌で、かつての「ボランティアブーム」を振り返る特集記事を担当し、あちこち取材に行きました。

 一般的には阪神淡路大震災が起こった95年がボランティア元年とされていますが、実はその前年の94年から既に波が起こっていました。書店の平積みで「ボランティア入門」みたいな本が急にずらずら並び始めたのをようく覚えています。やや記憶が曖昧ですが、朝日新聞で森林ボランティア募集の小さな記事が載り、これに応募者が一気に殺到して大騒ぎになったのも94年だったと思います。

 ちょうど、気分的にそういう時代だったんですね。イケイケどんどんのバブルが崩壊し、リストラという言葉が頻繁に登場するようになってきた。人々の心のなかにスッポリ穴ができてしまって、「会社のために働くだけでなく、社会のためになることも大事にしなきゃ」みたいな気分が芽生えてきた時代です。

 かつてボランティアは、「とても奇特な人がやる特別な行い」だったわけですが、これが一気に裾野を広げたときに、何が起こったか。それは、ボランティアの相談窓口である、各地域のボランティアセンターに、事情を知らない人たちがどっと繰り出したわけです。

 このなかには、女性誌やテレビドラマに影響を受けたOLと共に、中高校生も結構混じっていました。一時期は、ボランティアセンターに相談に来る人の7〜8割が中高生だったと聞きました。彼らは夏休みの宿題などで送り出されてきたわけですが、本当は別に行きたくもないのね。先生から言われたから仕方なくやってきている。そして窓口で聞くわけですね、「私は何をすればいいのでしょうか」と。

 ボランティアは今さら言うまでもなく、災害救援をしたい、高齢者の支えになりたい、ゴミ問題に力を貸したい、などなど自発的な気持ちが、すべての始まりです。ボランティアセンターは、各人の気持ちをくみ取りながら、行き先を紹介してあげる。でも、何をしていいかわからないようでは、紹介のしようもない。結局、人手が足らないところを紹介したりするわけですが、そうやって紹介されて来られた方も迷惑ですよね。別に、その活動がしたくて来ているわけではないんですから。何でも、ボランティア先でお茶を出してくれなかったと文句を言う人もいたようで、呆れるほかありません。

 奉仕活動の義務化で、それが子どもたちの学習に繋がるのかどうか、といった話はよく聞かれます。僕は、教育現場の混乱なんてどうってことなくて、それよりもたぶん、ボランティアの相談窓口とか、ボランティアの受け入れ先でのトラブルが大幅に増加すると思います。いつでもボランティアを50人でも100人でもウエルカムしてくれる人手不足の団体なんて、そうそうないはず。来られる方の迷惑や負担も、少しは議論されてしかるべきだと思うのですが。それとも、子どもたちの慈善的な行為はすべて、気持ちよく迎え入れられるとでも勘違いしているのでしょうか。

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