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コラム

ホームヘルプ「上限問題」は、
「現状維持」で一応の「合意」へ。
しかし正念場はこれから

文・加藤薫

 中西さん、伊藤さんのお話は、厚生労働省のホームヘルプサービス上限問題が表出した2003年1月上旬時点のものだ。その後の動きについて付記する。

 障害者の地域生活を支えるホームヘルプサービス事業について、厚労省は従来、利用時間数に上限を設けないよう自治体に指導してきた。ところが1月上旬、このホームヘルプサービス事業について補助金を国から市町村へ配分する際に、利用時間基準を設定するとの話がインターネットで拡がり新聞でも報道され、「実質の利用制限につながる」と問題が表面化した。

 障害者側はこれに抗議、その後14日より障害者団体と厚労省間の本格的対立と交渉が始まった。16日には千人を超す障害者、介助者や支援者らが厚労省前に集結、その後の雨や雪の日にも数百人が厚労省周辺に集まり続けた。

 結果としては27日に厚労省が、国庫補助基準は設けるものの、これは個々人の支給料の上限を定めるものではないと言明。また、支援費制度への移行期には、これまで制度を充実させてきた自治体に対しては従来の補助金配分額を維持する経過措置を出した。また今後、障害者の地域生活支援のあり方について当事者を入れた検討会を行なうことを表明し、障害者団体側と一応の「合意」に達した(詳細はtheme6のこちらへ)。

 それにしてもなぜこの段階で、厚労省の「腹の内」が露呈されたのか。社会保障制度の危機を理由とした消費税増税論議や、春からの介護保険料改訂問題などが新聞紙上を賑わせる傍らで、「限られた補助金を公平に負担するため」と美辞麗句を並べる厚労省へ障害者が「上限撤廃」を迫る構図は、障害者にとり過酷なものだった。

 今回、東京都や大阪府など幾つかの自治体が、厚労省へ「上限撤廃」を求めた。その中に浅野史郎・宮城県知事もいたが、一方、2月には同知事ほか6知事が参加しシンポジウム「障害者福祉は介護保険で!」が、朝日新聞社等の主催で開かれる。状況は多面的だ。

  少数者である障害者当事者の声を届け、生存権をいかに守るか。これからが正念場だ。

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※03年1月執筆時点の原稿をそのまま掲載しています。
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