01 障害者の数と障害種別(身体障害者、知的障害者、精神障害者) 01/05/01最終更新

 

01-01 障害者の数

 日本国内の障害者の数は、96年の発表によると合計で576万人。これは日本の人口の約5%にあたります。下に内訳を示しましたが、最も多いのが身体障害者です。調査時期がやや古い印象もありますが、これは5年に一度行っている調査をもとにしたものですので、次の更新は今年、01年になります。

身体障害者
知的障害者
精神障害者
合計
317.7万人
41.3万人
217万人
576万人
(出所)平成12年度「障害者白書」
(元資料)「身体障害者実態調査」「身体障害児実態調査」「精神薄弱児(者)福祉対策基礎調査」「精神衛生実態調査」「社会福祉施設調査」

 ちなみに91年の発表では、合計441.3万人。5年間で135万人、30%も増えたことになります。増加した135万人の中身を見てみると、精神障害者が109万人を占めています。この原因については、いずれ情報収集した上で解説したいと思いますが、個人的な想像をまじえれば、以前よりも精神科を受診する人が増えた、障害を隠さない傾向が進んだ、などが考えられます。

 いずれ諸外国とのデータ比較をしたいと思いますが、国によって障害の定義が微妙に異なっていたり、WHO(世界保健機関)が示した分類もありますので、それも明らかにしていきたいと思っています。

 

01-02 身体障害者

 略して「身障(しんしょう)者」、福祉界では「身障の人」と呼ばれることがあります。障害の種類としては、肢体不自由、聴覚・言語障害、視覚障害、内部障害があり、複数の障害をもつ場合は重複障害と呼ばれています。

 肢体不自由は、上肢(腕)や下肢(足)に障害がある場合です。障害者の代表格に見える「車いす利用者」は、厳密に言うと、(1)下肢障害者で、なおかつ、(2)障害をカバーする補助具に車いすを使っている人、ということになります。おそらく、障害者全体のなかで一割以下ではないでしょうか。肢体不自由の障害を負った原因には、先天的なものと後天的なものがあります。先天的な障害をもつ人のなかでよく名前を聞くのが脳性麻痺(CP)、後天的な障害では脊髄損傷(脊損=せきそん)、頚椎損傷(頚損=けいそん)などがあります。屈強な上腕部を駆使して車いすを巧みに動かし、障害者スポーツで活躍している多くは、脊髄損傷者です。

 聴覚・言語障害は「聾唖(ろうあ)」と呼ばれるケースの方が多く、聴覚障害者だけを指して「ろう者」と表現する人もいます。また、全く音が聞こえない人をろう者、ある程度の音が聞こえる人を難聴者、と言い分ける場合もあります。ろう者と言うと、すぐに手話を思い浮かべますが、とくに成人後に病気で聴覚を失った人などで口話(相手の口の動きから言語を読みとること)を使う人も少なくありません。最も重度の1級聴覚障害者で手話ができるのは42.9%です。

 視覚障害は、要するに目に不自由がある障害です。障害の程度によって「全盲」と「弱視」に分けて表現することが多く、同じ弱視でも、拡大鏡を使って文字を追うことができる人もいれば、困難な人もいます。視覚障害者と言うと、すぐに点字を思い浮かべますが、これもろう者における手話と同様、後天的な理由で視覚障害者になった場合、点字を読む訓練ができていない人も少なくありません。最も重度の1級視覚障害者で点字ができるのは17.5%です。

 内部障害は、外見上、ほとんどそれとは判らない障害です。心臓や腎機能に障害をもつ人、人工肛門をつけている人などです。身体障害者であることを示す身障者手帳を見せてもキョトンとされる場合が多いようです。

 

01-03 知的障害者

 福祉界では「知的の人」と呼ばれることがあります。100人のうち1人くらいは誤解しそうなので念のために付記しておきますと、「知的人」ではなく「知的障害をもつ人」のことです。以前は精神薄弱者と呼ばれていましたが、表現が適切ではないことから97年頃から厚生省資料でも知的障害者と表現されるようになりました。

 知的障害の理由には多くがあり、有名な「ダウン症」もその一つに過ぎません。長い間、精神障害者と混同されてきた歴史があり、今でも多くの人が混同していると思われます。(筆者は障害者関係の取材を始めた4年ほど前まで混同していて、取材先で赤面したことがあります。)

 知的障害者と認められるか否かについては、IQが80以上か未満かが尺度になると言われていますが、自治体によって判断基準はまちまちのようです。この項については、近日中に、もう少し詳しい情報を追加更新します。

 

01-04 精神障害者

 福祉界では「精神の人」と呼ばれることがあります。代表的な病気には精神分裂病があり、精神病院に入院している精神病患者の6割はこの病気によるものです。これに次いで多いのが、脳血管性痴呆、躁鬱(そううつ)病、アルコール依存症(AA)などです。精神障害者の総数は217万人と推計されていますが、このうち33万人強が精神病院に入院しており、3割以上は入院期間が10年を超えている人たちです。日本での入院日数の長さが問題指摘されています。

 精神障害者は長い間、医療の対象であり、福祉の対象ではありませんでした。ようやく福祉の対象になったのは93年の「障害者基本法」の改正から。こうしたことから、障害者の中でも最も施策が遅れている障害種別だと言われています。

 精神病者については、過酷な処遇を受けてきた歴史が長くあります。これについては、いずれ、この項か別項で解説していきましょう。

 

※表記内容については慎重を期していますが、なかには執筆者の勉強不足による勘違いがあるかもしれません。ご指摘いただければ助かります。訂正すべき点は、速やかに訂正したいと思います。