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336(08/02/08)
『桶屋の挑戦』オッケー!

 さて。1冊の新刊本に注目してほしい。中央公論新社から出版されたばかりの新書『桶屋の挑戦』(加藤薫・著、840円)だ。この本は、日本酒の木桶仕込みに挑戦した人々の、7年間以上にわたる取り組みを丹念に取材して描いた、ルポルタージュの佳作である。

 日本酒の仕込みでは、効率優先の考え方で木桶の代わりに、永らくホーロータンクが使われてきた。木桶は絶滅に瀕していたが、日本古来の製法に着目した米国人女性(セーラ・マリ・カミングスさん)が木桶仕込みの復活に着手。自ら台風の目となって周囲にいた職人たちを巻き込み、その気にさせて、その輪が日本中に広がっていく。

 かろうじて桶屋稼業を続けていた男は、父親の手仕事の記憶を総動員、21世紀の今に真新しい木桶を作る。材木屋も、桶ならではの木の挽き方の妙に舌を巻く。小さな酒屋たちの木桶への新たな挑戦に触発されるように、これまで細々と木桶を使い続けてきた地方の味噌屋や醤油屋も、新たな自信を胸に抱く。木桶に仕込まれた菌が良酒を醸すように、木桶復活に取り組む人たちも、また現代には失われた独自の価値観を醸していくーー。

中央公論新社の紹介ページ

 バレる前に言ってしまえば、これは僕の連れ合いの労作。その地道な取材ぶりを側で(時には遠目で=苦笑)見てきて、その努力の積み重ねには頭を垂れるしかない。文体もまた、滋味深く、味わい深い。本と出会えたことが、ちょっぴり幸せな気持ちになる。そんな本だろうと思う。

 当サイトをたびたび訪れてらっしゃる方は、僕への投げ銭をするつもりで購入していただければ幸い。また読了後は、アマゾンなどでどしどし、推薦文を書いていただきたい。雑誌などにも、書評を寄せていただきたい。どうぞ、よろしくお願いします。

 さて。ここからはさらに贅沢な要望になるが、彼女の処女作『大洪水で消えた街―レイテ島、死者八千人の大災害』(草思社)も新品で併せ買いしていただければ幸いである。こちらは分厚い長編で、フィリピン現地に住む人々と寄り添いながら執筆した力作だ。ただし2点を併せ買いすると納品が遅れると思われるので、念のため。

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337(08/02/11
すごい、すごい、エイミー。

 さて。今年もグラミー賞の生中継を堪能。英国のR&Bシンガー、エイミー・ワインハウスが何か受賞してくれれば、とは思っていたが、ノミネート6部門中5部門で最優秀賞を受賞するとは驚いた。日本盤が発売される前から注目してきた僕としても、嬉しい限り。

 この日彼女は麻薬が原因で米国への入国ビザが下りず、異例のロンドン生中継での出演となった。以前から薬物中毒やアルコール中毒に伴う“問題行動”がタブロイド紙を賑わせていたが、数ヶ月くらい前から、「このままではジャニス・ジョップリンの二の舞になってしまう」とミュージシャン仲間が救いの手を差し伸べ、回復への道筋をつけてきた。ちょっとした“問題発言”や“問題態度”でバッシングの大波を浴びせるだけの、どこぞの国とは大違いだ。

 多くの人がすでに指摘をしていることだが、「リハビリなんて、ノー、ノー、ノー」という楽曲「リハブ」で一躍注目を浴びた彼女が、リハビリによって本来の歌唱力やパフォーマンス力を回復させ、息の長い歌い手として活躍してくれることを、心から祈りたい。今日は、ちょっぴり、その兆しを感じたのだが、どうだろうか。

 エイミーを含め、今年は女性R&Bの歌モノ系のパフォーマンスが充実した年だった。ビヨンセ、ティナ・ターナー、アレサ・フランクリン、アリシア・キーズ……。ファーギーもあれだけ歌が巧いのだから、とっととラップを忘れて歌うたいに徹してほしい。(ちなみに、ティナが絵沢萌子、アレサが淡谷のり子に見えたのは、僕くらいだろうか。)

 また、近いうちに「オンフィールド音楽研究所」で原稿をアップしようと思っているオンフィールド音楽大賞で、以前から1位に推挙を決めていたフー・ファイターズのアルバム「エコーズ、サイレンス、ペイシェンス・アンド・グレイス」が最優秀ロックアルバムを受賞したのも朗報だった。日本のロック誌は2007年度のベストアルバムで、このアルバムをことごとく過小評価していたのが、未だに不思議でならない。

 さらに、チャカ・カーンやブルース・スプリングスティーンの新作、マイケル・ブレッカーの遺作の受賞も嬉しかった。大穴で最優秀アルバム賞を受賞したハービー・ハンコックの「リヴァー:ジョニ・ミッチェルへのオマージュ」は、ちょうど入手して聴き始めたところ。ノラ・ジョーンズやティナ・ターナー、コリーヌ・ベイリー・レイ、ルシアーナ・スーザ、レナード・コーエンが参加しており、なかなか良い雰囲気を醸している、ジョニ・ミッチェルを再評価している昨今だけに、これも朗報だった。

 今夜WOWOWで再放送されるようなので、見逃した方はチェックを忘れずに。今日のグラミー賞で、オバマ氏の米国大統領が一歩近づいたような印象も。
http://www.wowow.co.jp/music/grammy/

 受賞リストは、以下をどうぞ。
http://www.grammy.com/GRAMMY_Awards/50th_show/list.aspx

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338(08/02/17
前田日明さんの大人な再出発。

 さて。格闘技・プロレスファンなら先刻ご承知だろうが、元格闘家&プロレスラーの前田日明さんが新しい興行イベントを立ち上げることになり、先日記者会見が行われた。

 イベントの名称は「THE OUTSIDER」。街の不良たちに門戸を開き、明日の格闘界を支える逸材を発掘するのが狙いだという。かねてからブログ「週刊 前田日明」をチェックしていたから、早々と知っていたことだが、HERO'Sのスーパーバイザー解任という気になるニュースも帳消しにするような、前向きな話題と受け止めている。

 記者会見での発言などを読んでも分かるとおり、前田日明さんは格闘界の明日を、日本の明日を真摯に考えている男だなあと改めて感じさせてくれる。なかでも、「今の日本の社会では、1度罪を犯してしまった連中が正規のルートで活躍することは難しくなりつつある。せめて格闘技には更生の余地を残してやりたい」との発言には、我が意を得たりの心境。谷から蹴落とすだけの社会になりつつある日本に、一条の光を差し込んでもらえれば嬉しいことだ。

 UWF解散後、新日本プロレス合流間もなく後楽園ホールで開催した「UWF自主興行」に関西から馳せ参じ、リングス旗揚げの大阪興行にも出向き、数々のリングス興行を見、そして山本選手との最後の試合には特別リングサイド席で観戦させてもらった僕としては、「THE OUTSIDER」旗揚げ興行もぜひ観に行きたい。

 この記事を見る限り、観客席でもキケンなニオイがするし、チケット代も高そう。おまけに小さな会場だからすぐに売り切れるだろう。無事に観戦できますやら。

 それにしても、新しい興行団体「DREAM」の発進で、前田日明さんと共にお払い箱となったザ・エスペランサー、じゃない、高田延彦はどこへ身の置き場を持って行くのだろう。

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339(08/02/18
「VHS対β」で思い出した。

 さて。いつものように、HPへのアクセス状況を朝確認したら、「VHS対βの第二幕はじまる」のページに、怒濤のアクセスが。なるほど、次世代DVD規格争いの話題に絡んでのアクセスだったよう。

 同webページの原稿を書いたのは5年以上前だから、今読み返すと、ずいぶん情報が古くなっている。β(ベータ)という存在自体を知らない人も多くなってきただろうし、次世代DVDの話題も含めて、ちょっと書き直さないといけないなあ、などと思っていたのだが……。

 それはそうとして、このwebページの一番下のコラムを見て、久しぶりに思い出した。そうそう、VHSとβに続く第3の規格を東芝が考案していた、という事実だ。

 東芝と言えば、かつて最初はβ陣営についていて、その後のβ凋落で苦渋を味わったはず。ここからは邪推になるが、「あの時、わが社が考案した第3の規格で勝負していれば良かったのだ」という悔しい思いを、ずっと引きずっていたのではないか、と。それが、どう見ても当初から負け戦に見えていた(少なくとも僕の目には)次世代DVD規格でも、ブルーレイとの統一化協議に終止符を打つ遠因になっていたのではないか、と。1980年に、第3の規格を開発した技術者の若手中心メンバーが当時30歳くらいで、今、もしも幹部になっていたとしたら……などと、邪推はどんどん膨らんでいく。

 最初から劣勢が見えていたはずのHD-DVDを、どうして強力に推し進めようとしたのか、昔のビデオテープ規格争いに遡って取材するジャーナリストがいてもいいはず。「じゃあ、お前がやれ」と言われそうだが、あいにく、僕にはその時間がない。

 どなたか、やりませんか。

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340(08/02/26
カマキリハウス。

 さて。我が家の郵便受けにカマキリが度々顔を出していたことは既に触れたが、すぐそばにあった蝋梅の枝にカマキリの卵が! 想像はしていたけれど、カマキリはやっぱり蝋梅が好きだった様子。卵を発見したのはもう1カ月以上前だったが、いろいろあって、早々と卵が孵ってしまったので、連れ合いが金魚鉢の1つをカマキリハウスにリニューアル。体長5mmほどのカマキリが5匹ほど確認できた。

 寒い朝などは、どこにいるのか分からないほどに身を潜めているが、ぽかぽか太陽が当たる昼間には、別人、いや別カマキリのようにハウスの中を歩き回っている。たぶん、エサを探して徘徊しているのだろう。

 カマキリは、生きたエサしか食べないらしく、パンの耳などをやっても食べない。パンの耳に小蠅でも飛んでくれば、パクリと食べちゃうのだろうが、開けっ放しにするわけにもいかないので、これが悩ましい。最近は、庭のビニールハウスで連れ合いが小さな虫を捕まえては、これをハウスに入れて補給している。

 そんなお世話の甲斐あって、5匹中2匹は体長1cmほどに成長。いつ蝋梅の枝に戻そうか。

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